塩カルという素材をご存知でしょうか。塩化ナトリウム素材の略語であり、約5年程度で劣化をしてカルシウムに分解される環境に優しい化学素材として昨今は注目を集めています。2015年にパリで開催されたG7において、先進諸国では深刻なプラスチックゴミによる環境汚染が取り上げられました。海洋汚染の度合いが特に高く、各国では2022年までにプラスチックゴミを約90%削減することを明記した、パリ協定の決議もなされたほどです。
このパリ協定の決議を受けて開発なされたのが、塩カル製の結束バンドです。結束バンドは以前までは塩化ビニール製となっており、劣化したとしてもそのままプラスチックゴミとして放置されてきました。電線や掲示板の固定等でも使用される部品で、雨風にさらされる場所にあるものほど劣化しやすい特性もありました。これらの場所で使用するのに塩カル製結束バンドが用いられるようになり、使用済みとなったものでも自然に分解できるので環境に優しいアイテムとして採用されています。
塩カル製結束バンドは主に、化学ナトリウムを高温で熱して液体にしたのちにバンドに成形されます。10cmから30cmの長さの製品があり、約20kgまでの荷重にも耐えられます。一般的な塩ビ製の結束バンドとなんら変わらず、一度締めたら緩まないという特性も兼ね備えてるのが特徴です。沿岸部や公園等で掲示板の固定や電気配線の固定に用いられている製品で、今後も需要は高まる見込みです。